企業レポート 株式会社マツイフーズ

ものづくりの町、燕において、食の分野でもたゆまぬ挑戦を続ける企業がある。新潟を代表するブランド豚「越後もち豚」を取り扱う株式会社マツイフーズを取材した。

初代 松井幸次郎社長
開業当時の店舗

第一章 ~「松井」から「マツイ」へ

 1946年、初代 松井幸次郎氏が農耕馬の商いを始める。
当時は現在のように農業機械が普及しておらず農耕馬や農耕牛が重宝されていた。
その後、農業機械が普及してくると、農耕用としての需要が減退するのと引き換えに
食卓での需要が伸びるとにらんで食用の肉牛や豚の取り扱いに進出。
小売店への枝肉卸を始め、1964年「松井精肉店」を設立した。
その後は、新潟を代表する銘柄豚「越後もち豚」の販売や、
多様化する嗜好に合わせて二次加工(スライス等)への進出を図るなど、
時代の流れや顧客のニーズに合わせ事業を進化発展させていった。 
 1995年、二代目 松井利直氏(現会長)の社長就任を機に社名を「株式会社 マツイフーズ」に変更。
加工センターの建設、急速凍結庫や冷凍庫等の社内設備の充実化を図りつつ
もさらなる発展を果たすべく2009年に本社工場を新潟市へ移転。
2014年に「松井精肉店」開業50周年、2016年には創業70周年を
迎えた。
二代目社長(前) 松井利直氏
 2019年、時代が「平成」から「令和」に変わった年に松井洋氏が三代目社長に就任。
先代の経営理念を尊重しつつ、足りないと感じたものを補う形で、企業理念を作成する。
従業員教育にも力を入れており、社員に様々な経験をしてもらい、知識・見聞を広め、社員一人ひとりが人間的に成長してもらうことを大切にする経営に取り組んでいる。
三代目社長(現) 松井洋氏

第二章 ~「マツイ」が大事にしているもの~

 初代から続く生鮮肉の取り扱い、先代が始めた加熱調理、
どちらの商品も「安心」「安全」「おいしさ」を顧客の元へ届けることが
同社の責務としている。

「安心」「安全」への取り組みとして、製品の衛生管理の徹底を
目的としたHACCP認証(JFS-B規格)を2019年に取得。
また、自社内の自主検査室で行われる微生物検査のデータを活用し、
製品の安全管理、改善活動が継続的に行われている。

「おいしさ」への取り組みの第一は、お客様と商品開発を行うこと。
一緒になって作ることで潜在的なニーズまで捉え、
お客様が真に求めるものを具現化することで小売りの現場が
より販売しやすいような商品づくりを行っている。

また、常に新しい原料や調味料、製造方法に挑戦し、
よりよい商品づくりの技術が培われている。
 ~取材を終えて~

まずはじめにお忙しい中、快く取材を受けていただいた松井社長にお礼申し
上げます。ありがとうございました。
これまでの経営方針を尊重し、足りないと感じたものを補うという松井社長の
考え方に驚きと共感がありました。
「変えるもの」「変えないもの」このバランスをうまく取ることが経営者に
とって大切であり、必要なものだと思いました。
「安全」「安心」「おいしさ」を実践するために日々努力されている松井社
長の益々のご活躍をご祈念申し上げお礼の言葉といたします。

企業情報 COMPANY

株式会社マツイフーズ

豚肉を中心とした食肉製品製造・卸売業 新潟県新潟市西蒲区上小吉651-1 025-375-8061